パープルラインはデベロッパーの投機で自滅か?(その2)

さて、次はフィナンシャルタイムズのレポートです。

このところ、タイの金融機関でNPL(不良債権)が増加する兆候が出ているが、その内、70%以上が不動産関連の融資である。

これは、今のところ、金融機関にとってそれほど大きな問題にはなっていないものの、このままタイの景気が好転しなければ、次第に大きな問題になり、金融機関も無視できなくなる。

この原因は、マストランジット・システムや高速鉄道の敷設という政府のインフラ整備計画に伴い、バンコク郊外や東北地方で土地の投機買いが急増したからである。

その結果、フィナンシャルタイムズの調査では、こういう地域での住宅プロジェクトは、現在、相当な値引きをしてもなかなか売れない状況になっていて、銀行もバンコク郊外のプロジェクトの販売不振を理由に、デベロッパーに対するプロジェクトローンの貸し出しをも中止しつつある。

一方、不良債権のコンサルティング会社であるキャピタル・アドバイザリー・サービスのデータによれば、タイの不動産マーケットの2極化現象は今も続いていて、バンコク都内のプライムロケーションにあるハイエンド・プロジェクトだけが成功していて、それ以外のプロジェクトは全て苦戦しているという状況である。

しかし、今のところ、このNPLの増加は金融業界全体に大きな影響を及ぼすほどの規模ではなく、今後、不動産市況とタイ経済が回復することで、NPLの問題は解決できると、金融機関は期待している。

次回に続く